農業現場での単位と規格のあれこれ
前回に続き、園芸初心者を対象とした園芸講座のコラム第2弾として、農業の現場でいまだに使われている単位と規格について、あれこれと紹介していきたいと思います。
まず最初に疑問に思うのは面積の単位ではないかと思います。よく1反(たん)だとか反収(1反当たりの収穫量)という単語が使用されますが、慣れているメートル法にすると… 1反=10畝(せ)=0.1町(ちょう)=300坪(つぼ)=中京間で畳600枚分=991.736㎡、 1坪=約3.31㎡ 1反はおおざっぱに言うと約1000㎡=10a(アール)=0.1ha(ヘクタール) となります。
次に長さの単位では、間口(まぐち)が2間(けん)半だとか、紐を1尋(ひろ)ばかり切ってほしいなどの会話を聞くことがあるかと思います。 1間=6尺(しゃく)=60寸(すん)=約1.82m、 1尺=10寸=約30.3cm 。
尋に関しては、諸説ありややこしいのですが、1尋=6尺=約1.82mと考える場合や、5尺で約1.52mだとする場合などもあるようですが、実際の現場では大人が両手を広げた長さとしていることが多いようです。ロープや麻紐などを繰るときに便利かつおおまかな長さの単位だと考えてよいかと思います。
また、植木鉢やポットの大きさとして、号(ごう)が用いられますが、 1号=3cm となりますので、3号ポットであれば、直径9cmのポットとなります(図1)。3寸ポットと呼ぶ方もいますが、今のカタログ等で規格を見ると9cmのものばかりですので、3号ポットと同義ととらえてよいかと思います。
次に液体やお米の量などをあらわす体積の単位ですが、4合(ごう)瓶や1升(しょう)瓶、1斗(と)缶やお米では5合(ごう)炊きだとか、米俵の1俵(ぴょう)と聞きなじみがあるかと思います。
1合=約180ml、お米では約150g、
1升=10合=0.1斗=約1.8L
1俵=4斗=約72Lとなり、お米では俵1つで内容量約60kgとなります。
以上単位についていかがでしたでしょうか。これらの尺貫法ですが、身近な資材などの規格でも使われており、例えばベニヤの合板をサブロクサイズと聞くことがありますが、3尺×6尺で、910mm×1820mmであったり、ハウスの間口が約455cmと中途半端だと感じていたら、ちょうど2間半の規格であったりとか、いまだに根強く残っているものです。写真で使っているメジャーもセンチと寸の両方の目盛りが書かれています。
日本では50年以上前に、計量法で取引や証明に用いることを禁じているため、そういった機会に尺貫法が使用されることはありません。しかし、尺目盛メジャーが流通していることが、いまだ現場に残っているということですし、その換算の知識はあって困らないかと思います。
栽培をする際には、こういった規格があることを頭の片隅に、ハウスの支柱が立っている間隔や、資材の規格等をざっくりと知っておけば、支柱の数を数えて、何メートル残っているマルチを使うとか、この区画に何株植える、面積を出して肥料計算をするなど、何かと便利なこともあります。
その他メーカー側の工夫として、農業用マルチの中には、規則的に入っている商品名と空白を一定の長さにしているものもありますし、なにより身近な自分自身の歩幅や手を使って大まかな長さを出せるようにしておくとフィールドで役に立ちます。
最後にこのコラムに出てきた単位について表にまとめました。これを機に、作業の際には単位や規格に興味を持っていただけますと幸いです。
著者プロフィール
- 名前
- 長廣匠亮
- 出身地
- 山口県山口市
- 専門分野
- 蔬菜園芸学、植物育種(カボチャ)
- 趣味
- 登山、釣り、スノボ、旅
- 好きなもの
- お魚、お肉、甘いもの
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