ジャックとあまなが Vol.4 ~誘引とはじめての収獲~
こんにちは、生産管理部の白木です。
園研のある千葉県松戸市では桜も満開になり、春の陽気を感じられるようになってきました。花粉症の私には辛い季節になってきましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
先回は、「園研甘長」の鉢上げ後の様子と仕立てについて紹介しました(ジャックとあまなが Vol.3 ~鉢上げ後の様子と仕立て~)。今回は、整枝と誘引、はじめての収獲の様子を紹介します。
まず、第4分枝以降の整枝方法について紹介します(前回のコラムで、第2および第3分枝の内枝は根元から除去することを説明しました)。第4分枝以降は、果実をできるだけ多く収穫するために、図1のように側枝の1節目は2本とも伸ばし、2節目以降は生育の旺盛な枝を除去し、弱い枝が2節ほど伸びたところで、摘芯します。
果実を1分枝に大量に着果させると、上段の着果や生育に影響が出てくるため、1分枝で5~6果付けるよう整枝・摘蕾をしてください(図2)。図1および2では2本仕立てで示していますが、4本仕立ては、第2分枝の内枝を落とさないところ以外は、基本的に同じ方法で整枝を行います。
次は、誘引についてです。今回の甘長栽培は、2本仕立て、4本仕立て区および放任区の3処理区を設けて栽培を行っています。2本仕立てと4本仕立て区ではハウス内の棚線と誘引紐を利用した、「糸吊り誘引」で誘引をおこないました(図3)。
図3 2,4本仕立て区誘引法
第1分枝の下で「もやい結び」(写真1)をおこない、そこから1節当たり0.5~1周程度糸を時計回りに巻きます。巻く方向を統一すると、その後の作業がしやすくなります。巻く際は、蕾や分枝が締まらないように注意してください。
放任区の誘引は、栽培中〜後半にかけて枝数が多くなり、糸吊り誘引は向かないため、支柱を使った誘引をおこないました。第1分枝で分かれた主軸の下を支えるように支柱を挿します(図4)。支柱の挿し方のポイントとしては、第1分枝を交点として、主枝を挟むように支柱を挿します。分枝先の枝を持ち上げるように、下から支柱で支えると垂れ枝を防ぐことができます。株が大きくなってきたら、支柱の本数を増やすか、支柱を長くして、株が揺れないようにしてください。
図4 放任区支柱の挿し方
さて、最後に収穫についてです。2022年12月9日に播種をおこなってから約70日後には、第1分枝の蕾が開き始め 、開花から2週間後には、果実が4~5㎝ほどに肥大してきました(写真4)。
写真4 第1分枝の果実肥大の様子(左:2月14日、右:2月28日)
生育を旺盛にするために、第1分枝に着いた果実は4~5㎝サイズで収獲して下さい。その後の収穫サイズの目安は、シシトウとして食べる場合には5〜6 cmで、甘長(ミニピーマン)として食べる場合には10 cmのサイズまで肥大させて収獲を行って下さい(写真5)。
写真5 収穫の目安(左:シシトウサイズ、右:甘長(ミニピーマン)サイズ)
シシトウ、甘長ともに、このサイズであれば、果梗を除けば、丸ごと食べられます(タネも気になりません)!また、園研甘長は厳しい生育環境下でも辛味が出ることはなく、安心してお子様にも食べて頂けます(写真6)!
写真6 休憩時間に天ぷらと素揚げにして食べました。職員の子供にも好評でした。
次回は、仕立て方による収量の違いや、収穫時の注意点などについて更新予定です。どうぞお楽しみに!
著者プロフィール
- 名前
- 白木碧
- 出身地
- 東京都中野区
- 趣味
- ツーリング、ドライブ
- 好きなもの
- ルートビア、洋酒
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