ジャックとあまなが Vol.3 ~鉢上げ後の様子と仕立て~
こんにちは。タイタニック3Dリマスターを1人で映画館に見に行ったジャックこと、生産管理部の白木です。
前回は「園研甘長」の鉢上げと初期誘引までの様子を紹介しました (ジャックとあまなが Vol.2 ~鉢上げと初期誘引~)。今回は、鉢上げ後の様子と仕立て方についてご紹介します。
まず、鉢上げ後の様子についてです。2023年1月11日に本葉が5~6枚展開した苗を21㎝ポットに鉢上げを行いました(写真1)。写真2および3は、鉢上げから1週間および2週間後の様子です。鉢上げから2週間経過した頃には、本葉が4~5枚増えて、草丈も6~7㎝ほど高くなりました。
写真1.2023.1.11鉢上げ | 写真2.鉢上げ1週間後 | 写真3.鉢上げ2週間後 |
鉢上げから3〜4週目では、分枝(後で説明します)が始まると同時に、蕾が付き始め(写真4)、生育スピードが速くなってきました。そこで、今まで水道水でおこなっていた潅水を、液肥潅水に切り替えることにしました。肥料成分は「N: 15%, P: 15%, K: 15%」のものを1000倍希釈で使用しています。家庭菜園向けには、原液で株元に散布するタイプや株元に挿すだけで一定期間肥料を与えられるものなど様々な種類があるので、肥料成分を参考にしていただき、使いやすい肥料を選んでください。
写真4.鉢上げ1週間後
次に、「分枝」と「仕立て方」についてお話しします。ピーマンは、花が咲くと枝が2本に分かれる性質があり、その枝分かれのことを「分枝」と言います。最初にできた枝分かれを第1分枝と言い、その後第2、第3分枝と続きます(図1)。
鉢上げから約6週間経過し、第3分枝まで展開した2月20日に仕立ての作業を行いました。今回は、ピーマン栽培の基本となる2本および4本仕立てに加え、仕立てを行わない放任栽培の3処理区に分けて、それぞれの栽培中の様子や最終的な収量もこの栽培日記でお伝えしていこうと思っています。
図1.分枝の仕方
では、2本および4本仕立ての具体的な方法について紹介します。まず、仕立ての作業を始める前に、2本、4本および放任の全ての株で、第1分枝より下に生えてきた脇芽を取りました(写真5)。ピーマンは1分枝上がるごとに倍の枝数になっていきます(図1)。
2本仕立ての場合は、第1分枝が2~3本に分枝してきたところで、3本に分枝した株は、一番サイズの小さい(弱い)主枝を除去します(写真6, 図2)。さらに、第2および第3で分枝している場合は、その内枝も除去して、2本仕立てにします。
4本仕立ての場合は、第2分枝でそのまま分枝した内枝を残すと4本仕立てにすることができます(写真7, 図3)。仕立て方の違いが今後の生育にどのような影響を与えるのか楽しみですね!
最後に、2月に入り、ハウス内は、夜温は16~18度程度で管理していますが、日中の気温は30度以上に上がり、1日の気温差が大きくなってきました。こうした環境ではトンネル開閉や換気をこまめに行わないと高温障害で葉が焼けてしまう場合があるのでご注意ください(写真8)。
では、次回は誘引とはじめての収獲の様子を更新予定です。お楽しみに!
著者プロフィール
- 名前
- 白木碧
- 出身地
- 東京都中野区
- 趣味
- ツーリング、ドライブ
- 好きなもの
- ルートビア、洋酒
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