カボチャの幼果食べてみませんか?
みなさん初めまして。園研のカボチャ担当の長廣と申します。関東甲信地方が九州南部よりも梅雨入りが早かったのは、17年ぶりとニュースになっておりますが、園研でも梅雨らしい天気のこの頃です。今回このコラムでは、カボチャの幼果の利用について情報発信していけたらと思います。
この時期は、園研近隣の畑では交配期から肥大期のカボチャを目にすることがあります。7月頃が収穫時期となりますが、実はこの時期ならではの楽しみがあります。それが摘除した幼果と雌花です。
幼果(未熟果)を摘果したものですが、これは着果節位の調整、着果負担の軽減などをして立派な果実をとるために、着果をコントロールすることがあり、この際に落とした果実を利用できるので理にかなっていますよね。私も普段の仕事で摘果をすることがありますが、実は食べてみると結構おいしいです!カボチャは天ぷら、メロンは浅漬けが特に美味しく、この時期を楽しみにしております。
雌花は、当日朝の限定ですが、おいしくない柱頭を除去してから、ズッキーニと同じようにイタリアンに利用できます。子房はブロッコリーのような風味の癖があるので、好み次第で利用できます。
また、この際に必ず注意して頂きたいのは、苦みの有無です。ウリ科野菜の苦み成分であるククルビタシンですが、たくさん食べると下痢をしてしまいますので、苦いと思ったら避けるようにして下さい。品種によって苦いもの、皮が硬いものなどもありますが、同じ品種でも肥大の仕方で苦くなりやすいものもあるので、その見分け方を説明します。写真の左側は苦みが無かったもので、薄緑色の果皮で表面がつるっとしている、肥大が順調な果実。右側はやや苦みを感じたもので、同じ大きさでも緑が濃く、果形が乱れており、表面が凸凹している、肥大がこじれている果実です。ちなみに、今回生長点と雄花を食べてみたらはとても苦くて食用に向きませんでした。巻きひげは揚げればパリパリでおいしいです。
私の好みですが、果実の大きさは野球ボール位、皮の薄い赤皮品種が特におすすめです。天ぷら、カレーの具、炒め物、汁物等、ねっとりしたズッキーニのような味だと思って利用できます。畑に頃合いのカボチャがあるみなさん、この記事を参考に是非一度カボチャの幼果食べてみませんか?
著者プロフィール
- 名前
- 長廣匠亮
- 出身地
- 山口県山口市
- 専門分野
- 蔬菜園芸学、植物育種(カボチャ)
- 趣味
- 登山、釣り、スノボ、旅
- 好きなもの
- お魚、お肉、甘いもの
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