2022年05月21日病害・微生物
植物も風邪をひく?
「エッ、植物も風邪をひくの?!」
「風邪はひかないけど、胃腸(萎凋)病にはなるよ。」
職場体験に来た中学生との会話のワンシーン(写真1)。筆者も大学で植物病学の講義を受けるまで、植物に病気があること、それも身の回りにごく普通に存在していることをほとんど認識していなかったことを思い出しました。反応の良い子供が来ると楽しい。
さて、みなさんはジャガイモの疫病という病気をご存知でしょうか?まじめな中学時代を過ごしていたとしたらご存知のことと思います。およそ4年間で100万人以上もの人々が餓死したといわれているアイルランド飢饉の原因となった病気です。
この病原菌は主に土壌中に存在し、環境条件が整えば、現代においても大きな損害をもたらすことがあります。このほかにも土壌中には様々な病原菌が生活していて、壊滅的な被害をおよぼすことが度々あります(写真2)。
土壌中に存在する病原菌を抑えるために、さまざまな土壌消毒剤が開発され利用されています。この中には、使用者へのリスクが大きいものもあること、また、環境への意識の高まりから、化学薬剤に依存しない病害抑制技術の開発が進められてきました。
このような背景のもと、園研ではさまざまな研究機関と共同で化学合成薬剤を使用しない土壌還元消毒法という技術の開発・普及に取り組んできました。次回の私のコラムでは、この「土壌還元消毒法」についてご紹介します。
著者プロフィール
- 名前
- 門馬法明
- 出身地
- 北海道名寄市
- 専門分野
- 植物病学、土壌還元消毒、土壌くん蒸消毒
- 趣味
- 釣り、ヨガ、テニス
- 好きなもの
- 甘栗
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