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1.基本方針 温暖化と異常気象により農作物の価格は乱高下し、農業経営は非常に不安定な一年となり、かつここ数年続いた冬の異常低温と豪雪、さらには夏の猛暑を避けて、各産地では播種や定植時期の移動を検討し、作型の一部見直しが行われるようになった。作型の変更は病害虫防除にも関連し、栽培技術をより複雑にし、生産環境を一層不安定にしている現状にある。農業者の高齢化と後継者不足は益々深刻化し、全国各地で耕作放棄地が増え続け、離農と経営規模縮小が進行し、多くの野菜で作付面積の減少が起きている。これを受けて本研究所育成の野菜種子の配布量も年間2〜3%程度減少傾向にあり、かつ配布時期に1〜2週間の前進・後退が生じてきた。
2.育種・採種研究事業(研究に関する業務) 年々変貌化する野菜生産、流通形態、消費動向等に対応するため、以下の育種目標を設定し、果菜類4品目について育種ならびに原々種・原種の採種を行う。また、1品目2研究員体制を整備し、単なる品種改良に留まらず、育種法、採種技術等に関連した基礎的・応用的研究にも着手し、育成成果を含めた研究成果を論文として公表する。 1) 育種業務
2) 研究開発に関する業務(1) 単為結果性トマトの種子生産の効率化に関する研究 (2) ウリ科種子品質に関わる栽培学的研究 (3) 種子の品質向上・管理に関する研究 (4) ピーマンの青枯病抵抗性台木に関する研究 (5) メロン黒点根腐病接種検定法の開発 (6) 低濃度エタノールを用いた土壌消毒に関わる研究 (7) トマト半身萎凋病接種検定法確立のための予備試験 3)オープンデイの開催 (育種・採種研究事業 公表)当所の事業公開の一環として、第11回オープンデイを6月14日(金)、15日(土)に開催する。会場の混雑を避けるため、第1日目は、第21回園芸技術講演会と併せて維持会員、農業関係者を対象に、第2日目は一般市民を対象に開催する。 4)「蔬菜の新品種」第18巻(2013)の発行2008年10月から2012年9月までに育成された蔬菜品種を対象に、公的機関および民間育種関係者に採録品種の照会を行い、「蔬菜の新品種第18巻」(2013年版)として、2013年6月発行を目標に、編集作業を行う。 5)学会・講演会等への参加研究成果の公表ならびに研究員の資質の向上のため、園芸学会、育種学会等の関係学会及び国内外の学術研究会等に研究員を派遣する。
3.教育補助事業(教育・研修に関する業務)1) 研修生の教育長期研修生2名を受入予定している。研修生は千葉大学園芸学部の科目等履修生として基礎科目を学習させるとともに、野菜の栽培に関わる実践的技術は所内での各種作物栽培を通して習得させ、他に適宜国内の野菜産地、苗生産者等の視察研修を行う。 2) 園芸技術講演会の開催(教育補助事業)当所主催及び関係機関との共催による園芸技術講演会を2回開催する。維持会員からの要請による講演会の開催を周知させるとともに、その内容の充実を図る。
4.普及、啓発事業(普及に関する業務)1) 種子の生産・配布 品種改良に関する研究の成果として育成された品種を普及するため、前年の結果をふまえて、種子の生産および配布を継続事業として計画・実施する。 2) 品種普及・産地開発研究成果として育成された既存品種、新品種の普及を既存産地含め、各方面と協力しながら新産地特に地理的に恵まれない離島や山間地等の開発を積極的に実施する。 3)講習会、説明会等への講師派遣育成品種の栽培技術の講習・説明会は現地の要請に応じて、これまで通り実施する。また、主産地では現地指導員の養成を検討する。 4)年報・要覧の編集発行「平成24年度日本園芸生産研究所・園芸植物育種研究所年報」を発行する。 |